カンボジア通信


▲トゥクトゥクの制作現場。カンボジアの場合、トゥクトゥク制作は、まず金属の板や棒、木材を適切な大きさに切りそろえ、各部品を作ることから始まる。できた部品を釘や溶接などで組み立て、ヤスリがけ、塗装を施す。その工程はほぼ完全に手づくりだ。電動ノコギリがうねり、有機溶剤の匂いが充満する制作現場では、大人ばかりではなく子どもも働いていることがある。


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2006年02月18日 ◆キリングフィールドへの旅
■プレイターアエク


▲田園の脇にあるプレイターアエクの現場
【名称】プレイターアエク
【所在地】シェムリアプ州プオク郡

バライ郡出身のモトドップ(30歳)とともにシェムリアプの町から国道6号線を進み、プオクの町に入ったところで客待ちをしていたモトドップに聞く。僕がカンボジア語でメモしてきたものを見せたのだが、
「プレイターアエク? 聞いたことないな」
「何郡にあるんだ?」
「年寄りに聞いてみなよ」
といった具合で具体的な場所を知る人がいないばかりか、有力な情報すら得られない。
市場の先、国道6号線をスヴァイシソポンの方へ向かった先にあるお寺で若いお坊さんに訪ねると、大まかな場所を教えてくれる。どうやらプオクの市場の裏側にあるようだ。
市場へ戻り、再び別のモトドップに道を尋ねると、市場の横から延びる道をまっすぐ2キロほど行った先にあるという。教わった通り、左右に路上市場の出る細い道を進むと、途中から赤土の道に出た。この辺り一面は田園地帯で、典型的なカンボジアの田舎の風景が広がる。時折すれ違う自転車やモトに乗った地元の人たちが不思議そうな視線を送ってくる。おそらく外国人が珍しいのだろう。
市場から2キロくらい走ったが案内板などが一切ないため、プレイターアエクが具体的にどのあたりにあるのかがわからない。そこで近くにあった民家を訪ね、訪問目的を告げてから聞いてみる。縁台の上でくつろいでいた2人の男性が
「旧役所の裏にある」
と教えてくれる。旧役所は走ってきた赤土の道の途中にある。教えられたとおり、旧役所へ行ってみる。木造の簡素な造りのこの建物は、訪ねた民家から数十メートルのところにある。裏を探してみるがそれらしきものは見当たらない。周りには樹木がまばらに生えている。
再び民家に戻り、案内を願い出ると引き受けてもらえる。モトドップはモトに乗って先に行き、僕と男性2人はあとから歩いて行く。2人の男性は生まれも育ちもプオク郡でポルポト時代もこの土地で過ごした。
「この辺りは昔、木がたくさん生えていたんだけれど、ほとんど刈り取られてしまったんだよ」
年上の男性(50歳)が教えてくれる。プレイターアエクの「プレイ」とはカンボジア語で「森、林」という意味だが、現在はその地名が示す風景は消えてしまった。
旧役所の裏で待っていたモトドップと4人で旧役所の裏手に広がる田んぼのなかを歩いて行く。2人の男性が場所を確認し合いながら先導してくれる。イネの刈り取りの終わった田を踏みながらずかずかと歩くこと数分、タオルを肩にかけた年上の男性が
「ここだよ」
と言う。目を向けると直径2メートル弱のくぼみがあり、その周りは灌木で囲まれていた。犠牲となった人々が埋められた穴だ。ポルポト時代、何人くらいの人がここで亡くなったのかという質問をぶつけてみた。
「たくさんだよ」
男性は静かに答えた。

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