カンボジア通信


▲トゥクトゥクの制作現場。カンボジアの場合、トゥクトゥク制作は、まず金属の板や棒、木材を適切な大きさに切りそろえ、各部品を作ることから始まる。できた部品を釘や溶接などで組み立て、ヤスリがけ、塗装を施す。その工程はほぼ完全に手づくりだ。電動ノコギリがうねり、有機溶剤の匂いが充満する制作現場では、大人ばかりではなく子どもも働いていることがある。


遺跡以外のカンボジアを旅する本「トーマダー」の発行人がカンボジア人の生活、プノンペンの町のようす、写真で見るカンボジア、カンボジア人の仕事、カンボジアのニュース、日記などをつづっているブログです。
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2006年01月01日 ◆カンボジア人のお仕事図鑑
■民間療法士?


▲背中にガラス製の小さな壷を多数つけるチョップクヒョル

カンボジアにはチョップクヒョル、カオックヒョルという古くから行われている民間療法がある。
チョップクヒョル(チョップは「吸う、吸い込む」、クヒョルは「風、空気、息」の意)とは、火で内部をあぶって真空状態にした壷型の小さなガラス瓶を背中につけ、その吸引力で体内の「悪いもの」を取り除く療法だ(写真上参照)。一方、カオックヒョル(カオッは「削り取る、削り落とす、こすり落とす」の意)とは、金属片(または「セーンカオックヒョル」と呼ばれる棒)を用いて薬用油を体にこすりつけるようにして塗り、内出血させることで血行をよくする療法だ。両方とも疲れたときや体調の優れない時、頭や腰が痛い時、お腹を壊した時などに用いられる。知人によると、体を壊して薬を飲むとき、先にカオックョルをやってもらうと通常より薬が効くようになる。
首都プノムペンの中心部よりやや西に建つオリンピックスタジアム。そこからやや南に下ったところにあるクバールモアンチャエにてチョップクヒョルとコックヒョルで生計を立てている18歳の女性パートさんに話を聞いた。
パートさんはカンボジア中央部、トンレーサープ湖の東側に位置するコンポントム州の出身。5人兄妹の4番目だ。父親(40歳)と母親(43歳)は故郷で農業を営んでいるが、十分な現金収入が得られないため、パートさんはプノムペンに出ておじさんの経営する店で現在の仕事を始めた。勤務歴は1年だ。
パートさんは毎朝6時に起き、23時過ぎまで働く。お客さんのいない暇なときが休憩時間で1日平均2時間程度。仕事を休むのはカンボジアの正月や盂蘭盆など、日本風に言えば「盆と正月」くらいで土日も休まずに働く。1ヶ月の収入は約20万リエル(約50米ドル)で、食費はおじさんが負担してくれる。おじさんの店で寝泊まりしているため、家賃の負担はない。なるべく毎月の支出を減らし、故郷にいる両親にお金を送るようにしている。
チョップクヒョルとカオックヒョルはお店で働きながら取得した。お客さんの大半は男性で、女性のお客さんは少ない。おとなしく友好的なお客さんは大歓迎だが、たまに乱暴なお客さんがいて怖いとパートさんは言う。
『カンボジア語辞典』坂本恭章(大学書林)による

【撮影】2005年9月20日 首都プノムペン

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2005年12月28日 ◆カンボジア人のお仕事図鑑
■雑貨屋


日本ではあまり見かけなくなったが、カンボジアには生活雑貨を扱う小さな商店がたくさんある。今回お話を伺ったニャエトルアンさん(37歳)は、首都プノムペンの163番通り沿いで食料・生活雑貨を売って生計を立てている。出身はカンボジア南部、ベトナムと国境を接するタケオ州。家族は同じくタケオ州出身の妻クンタヴィさん(37歳)と長男(12歳)、長女(9歳)の4人だ。
ルアンさんが8年生(日本の中学2年生に相当)の勉強を終えたとき、共産主義勢力のクメールルージュがカンボジアを支配するポルポト時代が始まった。この時代、ルアンさんは故郷のタケオ州で過ごすことになる。ポルポト時代が終わってから1987年まではタケオ州で農作業に従事していたが、同年、仕事を探しにおじさんのいるプノムペンへ出てきた。以来、製紙工場で4年間、バイクの整備士として8年間ほど働いた後、現在の仕事を始めた。ルアンさんがバイクの整備士として働いていた頃、プノムペンを走るバイクのほとんどは中古だったため故障しやすく、現在よりも修理の仕事の需要があった。その後、カンボジアの復興が進むにつれて新車に乗る人が増加し、かつバイクの整備士の数も増えてきたため仕事が減り、生計を立てていくのが困難になった。そこで整備士の仕事を辞め、雑貨売りの店を開いた。
「今では警官も新車の中型バイクに乗る時代ですよ」
苦笑いを浮かべながら彼は言う。
ルアンさんの店では、使い切りシャンプー(1袋250リエル)、石鹸(1個1000リエル)、殺虫剤(1本7000リエル)、歯磨き(小1本1000リエル、中1000リエル、大4000リエル)、ペットボトルのお茶(1本2000リエル)、蚊取り線香(1箱1500リエル)、トイレットペーパー(1巻500リエル)、ビール(Tiger1本3000リエル、Anchor1本2000リエル)、缶入りの豆乳(1本1500リエル)、インスタントラーメン(1袋300〜500リエル)、ココナツジュース(1個1000〜1200リエル)、サラダ油(1リットル入り4500リエル)、メンソール系塗り薬(1600リエル)といった商品を扱う。利益は例えば使い切りシャンプーの場合、1袋あたり約10リエル、メンソール系塗り薬は1箱あたり100リエル、Tigerビールは350リエル程度。
毎朝5時に起き、食事と身支度、開店準備を終えてから商売を始め、午後10時まで働く。休憩はお客さんのいないときに夫婦交代で取る。休みは盆(3日間)と正月(3日間)くらいで土日も休まずに店を開けている。店を閉めるとその分収入が減るので休めないと夫婦で口を揃えて言う。
1ヶ月の収入は約30万リエル(約75米ドル)で、子供の学費や光熱費、食費に使う。公立の中等学校の場合、学費は1日に300〜500リエル程度だが、ルアンさんは子供を私立の語学学校にも通わせているため、そうでない家庭と比べると学費が多くかかる。
「将来のカンボジアに何を期待していますか?」
と尋ねたところ、
「外国のお客さんがたくさんカンボジアに遊びに来て、それが商売繁盛につながることを期待しています」
という答えが返ってきた。

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